能力とはヒューマンスキルのこと

看護師にとって医療についての専門的な知識や確かな看護技術を修得して、日々進歩する医学について研鑽することは大切なことです。そして医療を受ける患者に対してそれらが最大限に発揮されなければならないことは言うまでもありません。そして、それらのことを実施する上で必要とされる最も重要な能力がコミニュケーション能力です。

具体的には「患者の側に寄り添う技術」であり「会話をする技術」です。
「会話」には言語的だけでなく身体的表現、つまりゼスチャーなどを通じて意思疎通を図ることも含まれます。

患者とどのような立ち位置で話すか、どのような言葉を掛ければいいか、などを考えた科学的根拠に基づいた正しい行動をすることができる能力が必要です。

「病は気から」という言葉もあるように、気持ちが落ち込み、塞ぎ込むと症状改善にも悪い影響を及ぼしますが、看護師の患者に対する言葉掛けや笑顔で接する態度は患者の心を軽くします。コミニュケーション能力の必要性はここにもあります。

このコミニュケーション能力のことを「ヒューマン・スキル」と呼びますが、豊かな表現力で患者と接する以外にも、チーム医療の中でスタッフとの協力関係をスムーズに行うための能力でもあり、社会人としても当然にあるべき能力です。

さらに看護師には「コンセプチュアル・スキル」が求められます。
コンセプチュアル・スキルとは、問題を解決して改善する判断能力のことです。とくに患者の重症度や緊急性などを判断できる能力、つまり正しく推定する能力は高い質の看護を実現するために必要な能力の一つです。